吉祥寺の四軒寺のひとつ「安養寺」(武蔵野市)

安養寺は古刹で境内には文化財に指定されている「庚申塔」や「梵鐘」がある。
また周辺には同じく古寺があり、吉祥寺の安養寺・光専寺・蓮乗寺・月窓寺を総称して「四軒寺」と呼ばれている。
吉祥寺を散策していると見事なイチョウの木が目に留まったので安養寺へ立ち寄ってみた。
安養寺のようす

高いイチョウの木が目に留まり安養寺を訪れた。
朱色の山門の前には庚申供養塔の説明板があり、次のように書かれていた。
安養寺の申辛供養塔
この庚申塔は、代官野村彦太夫により吉祥寺新田村の検地を受けた翌年の寛文五年(一六六五)十二月に建てられ、旧北多摩郡では最古の塔です。碑の高さは一一七センチメートル、幅三九.五センチメートル、厚さは一三センチメートルあり、銘文には吉祥寺新田開発に関係の深い人達が刻まれ、特に女性の名が十数人も記されているのは珍らしい。
銘文中の「南無阿弥施仏」は「南無阿弥陀仏」、「申辛」は「庚申」であろう。
庚申塔は六十回目(日、年)ごとに回ってくる「庚申」の夜を供養する塔です。
武蔵野市教育委員会
市郷土資料/昭和四十七年三月十六日指定

山門をくぐると大きなイチョウの木が境内に日陰をつくっていて涼しい空間となっていた。
また梵鐘があって近くの説明板には次のように書かれていた。
安養寺の梵鐘
この梵鐘は安永二年(一七七三)十月、当時の武州多摩郡吉祥寺村の小美野(濃)源助が本寺に奉納したもので、江戸時代のものとしては市内に現存する唯一のものです。
鐘の身高は一○二.五センチメートル、竜頭高は三七センチメートル、口径は六九センチメートル、駒爪厚は七センチメートルです。梵鐘としては大きい方で、竜頭の二本の角は江戸期のものの特徴をよくあらわしています。
鋳造した人は境村の高橋甚右衛門尉藤原宣満といい、鋳物師・七之丞とも呼ばれた人です。このように本鐘は、当市域の鋳物師の存在を知る史料としても貴重なものです。
武蔵野市教育委員会
市指定有形文化財/昭和四十六年四月六日指定
安養寺の石の彫刻 タヌキ

安養寺を散策していると石の彫刻がいくつか見つけた。
タヌキの石像が二種類あって、そのうちの一匹がなかなかのイケメンで印象に残った。

タヌキ以外に灯籠を持った鬼の像もあったりして、ほかの寺とは少し趣の違う境内だった。
武蔵野吉祥七福神「布袋尊」

新年になると七福神めぐりが行なわれ、いろんな地域で参拝している人たちを見かける。
武蔵野市と三鷹市にも七福神めぐりがあり「武蔵野吉祥七福神」と呼ばれているようだ。
安養寺は武蔵野吉祥七福神のひとつになっていて布袋尊が安置されていた。
武蔵野吉祥七福神
・安養寺…布袋尊
・武蔵野八幡宮…大國様
・延命寺…毘沙門天と寿老人
・杵築大社…恵比寿神
・大法禅寺(大法寺)…福禄寿
・井の頭弁財天(大盛寺)…弁財天
また、安養寺は「多摩八十八ヶ所霊場」の1番にもなっているようだ。
多摩八十八ヶ所霊場
四国八十八か所を模した札所の総称で、弘法大師ゆかりの霊場をめぐる
【こぼれ話】境内の銀杏

安養寺には見事なイチョウの木があり、境内には銀杏が落ちていた。
銀杏は独特のニオイがするが、処理して料理すると美味しい一品へと変わる。
加工されて売られている銀杏はよく見かけるが、安養寺では入口に「境内の銀杏 どうぞお拾い下さい」と案内があり、自由に拾えるようになっていてほっこりした。
安養寺周辺のMAP
安養寺
(所在地 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-1-21)
■安養寺までの距離(徒歩の場合)
・吉祥寺駅…約 0.575km(07分)
観光情報についての参考サイト
■むー観
武蔵野市観光機構
■武蔵野市
公式サイト