渋谷駅にあるハチ公銅像以外にもあるハチの銅像(文京区)
日本映画『ハチ公物語』(1987年)でハチの存在を知った。
ハチは大学に勤める主人に飼われていた秋田犬で、出勤する主人が利用する駅へ行き、送り迎えをするのが日課だった。
ほほえましいようすからハチは周囲から可愛がられていたが、ある日、ハチの主人が亡くなってしまう。
しかしハチは飼い主の死を知らずに、死後も駅へ迎えに出かけ、主人の帰りを待ち続ける。
そんなハチの姿が健気で大泣きした記憶がある。
以来、ずっと悲しい物語としてとらえていたが、この続きというか別のハチ公像があることを知っているだろうか。
私はこの別のハチ公像を見たことで、悲しいハチの物語の印象が変わった。
大学にある博士とハチがじゃれる像
ハチの主人だが東京大学に勤めていた上野博士で、今回紹介するキャンパスは文京区のことだ。
このキャンパスに、映画を見て悲しい印象を持ってしまった人やハチが好きという人に、ぜひ見てもらいたいものがある。
実は農学部の建物近くに、上野博士とハチがじゃれあっているモニュメントがあるのだ。
説明板もあって、次のように紹介されている。
上野英三郎博士(1872~1925)とハチ公(1923~1935)
秋田犬のハチは大館市に生まれ、生後50日ほどで東京帝国大学農学部の上野英三郎博士(農業工学・農業土木学)に贈られた。
犬好きだった博士はハチを大切に育て、大いに可愛がれ、当時は駒場にあった農学部への通勤や渋谷駅からの出張にはいつも送り迎えをさせた。
学生たちは教授の飼い犬を呼び捨てにすることをはばかり、「ハチ公」と呼んで敬意を表した。
およそ1年半が過ぎた1925年5月21日、博士は大学構内で急死した。
それからハチは死ぬまでのおよそ10年間、朝夕に渋谷駅に通い、博士の姿を探し求めた。
生前、博士が長期出張から渋谷駅に戻った時、改札口でひとり待つハチに驚き、この像のように、互いにじゃれ合って喜んだという。
制作:植田努 2015年
このモニュメントの嬉しそうなハチと迎える博士の姿に感動して、映画のトラウマはほぼ消えてしまった。
ハチの物語は洋画にもなり、日本以外でも知られるようになった。
そのせいか、大学にある上野博士とハチのモニュメントを撮影している海外からの旅行者の姿も見かけた。
モニュメントは東京メトロ南北線・東大駅前を出てすぐの門近くにあり、アクセスがいい。
ほっこりできるモニュメントなので、多くの人に知ってもらいたいし、東京大学にはほかにも名所があるので散策におすすめだ。
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無料で見学できる東京大学の博物館
東京大学にある上野博士とハチ公像周辺のMAP
上野英三郎博士とハチ公|東京大学
(所在地 東京都文京区弥生1-1-1)
■上野英三郎博士とハチ公までの距離(徒歩の場合)
・東大前駅…約 0.356km(04分)
渋谷駅のハチ公像周辺のMAP
ハチ公像銅像|JR渋谷駅
(所在地 東京都渋谷区道玄坂2-1)
■ハチ公像銅像までの距離(徒歩の場合)
・JR渋谷駅前…ハチ公改札口を出てすぐ
観光情報についての参考サイト
■東大ハチ公物語
http://www.en.a.u-tokyo.ac.jp/hachi_ueno_hp/hp/index.html
■東京大学
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html
■文京区観光協会
http://www.b-kanko.jp/
■PLAY! DIVERSITY SHIBUYA
http://play-shibuya.com/
→渋谷区観光協会のサイト
■渋谷区 公式サイト
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/
■GO TOKYO
https://www.gotokyo.org/jp/index.html
→東京の観光公式サイト