怖いイメージがある閻魔王だが「こんにゃくえんま」は違った【東京都】

老人の身代わりとなった閻魔王(文京区)

源覚寺(こんにゃくえんま)
こんにゃくえんま(源覚寺:東京都文京区)

神社や寺には不思議な伝承があったりする。

文京区の文化財に指定されている「閻魔王坐像」は歴史のある木造彫刻だ。「こんにゃくえんま」と呼ばれており、むかしから篤い信仰がある。

堂に鎮座する閻魔王には逸話があった。

源覚寺の閻魔王

源覚寺(こんにゃくえんま)
こんにゃくえんま(東京都文京区)

後楽園駅から北に延びる千川通りを歩くと、「えんま通り商店街」がある交差点に到着する。

前方右に商店街が見えたら源覚寺は左側にあり、石碑が立っていて「こんにゃくえんま」と書かれているから探しやすい。短い参道の奥にはお堂が見えている。

源覚寺(こんにゃくえんま)
閻魔王(源覚寺:東京都文京区)

真っ赤に塗られているのですぐに目立つお堂に閻魔王の像はある。

お堂の中は暗いが奥のほうに鎮座しているのが閻魔王で、説明板には次のように紹介されていた。

木造 閻魔王坐像 区指定有形文化財(彫刻)

源覚寺に伝わる閻魔像で、閻魔堂に安置されている。右眼が黄色く濁っているが、閻魔王が信心深い老婆に己の右眼を与え、老婆は感謝のしるしとして“こんにゃく”を供えつづけたという言い伝えがある。このことから、眼病治癒の『こんにゃく閻魔』として庶民の信仰を集めた。

像は、高さ100.4cm。ヒノキ材の寄木造りで、彩色を施し、玉眼が嵌入してある。優れたできばえを示し、運慶派の流れをくむ鎌倉時代の作と思われる。銘文によると、寛文12年(1672)に仏師竹内浄正が修理している。

この像は、彫刻美術品として優れているとともに、本区所在の仏像のなかで、古い製作年代に属するものとして貴重な文化財である。

閻魔王は、冥界にあって死者の生前の罪業を裁断する十王のうち、最も良く知られている。わが国の閻魔信仰は、平安時代後期にはじまり、鎌倉時代に盛んになった。

常光山 源覚寺 小石川2-23-14
文京区教育委員会/平成5年3月

源覚寺(こんにゃくえんま)
源覚寺(東京都文京区)

よく調べもせず、「こんにゃくえんま」という変わったネーミングから訪れた寺だったので伝承を知ったときは驚いた。現在も信仰は篤いようで、こんにゃくが供えられていた。

不思議な伝承がある源覚寺の近くには商店街がある。近くを訪れる際には、寺を参拝したあとに商店街も回ってみるといいかも。

源覚寺について

源覚寺
(所在地 東京都文京区小石川2-23-14)

■源覚寺までの距離(徒歩の場合)
・後楽園駅…約 0.214km(02分)
・春日駅…約 0.309km(03分)

観光情報についての参考サイト

■源覚寺
https://www.genkakuji.or.jp/index.html

■文京区観光協会
http://www.b-kanko.jp/

■文京区 公式サイト
https://www.city.bunkyo.lg.jp/

■GO TOKYO
https://www.gotokyo.org/jp/index.html
→東京の観光公式サイト