東京十社のひとつ芝大神宮(港区)
大門駅から徒歩圏内にある芝大神宮はビルが建つオフィス街にある。
周りはとても近代的だが、通勤中と思われる人のなかには足を止めて芝大神宮へ一礼する人もいて、日本的な風景に心温まる。
芝大神宮は比較的新しく見えるが古い歴史があり、東京十社のひとつになっている。
芝大神宮のようす
芝大神宮を参拝してきた。
大通りから神社へ伸びる参道があり、高い位置に社殿が建っているため存在感がある。
鳥居をくぐって石段を上りきると芝大神宮の境内となる。
境内は広くなかったが、きれいに整備されていて大事にされていることが伝わってきた。
神社は菊の花のイメージが重なる古式ゆかしい感じがした。
手水舎の近くにおみくじを結ぶ場所があり、そのなかに魚型みくじもあった。
ほかの神社で鯛みくじを見たことがあり、ここも「鯛」だと思っていたら「鯉」と書かれていた。
「恋昇鯉」みくじは、赤色のほかに白色もあって、紅白揃っていて縁起が良かった。
芝大神宮の狛犬
石段をのぼりきったところに狛犬が鎮座しているが、台座に「め組」と書かれていることから、め組からの奉納と思われる。
狛犬のサイズは大きめでなかなかの強面だった。
貯金塚
芝大神宮は歴史があるため文化財がいくつかあった。
「貯金塚」という珍しい石碑もあり、横にある説明板には次のような逸話が書かれていた。
(読めなかった部分があったので「●」にしている)
貯金と災厄(昭和●二年正月不動会●●)
災厄は忘れた頃来るという 関東の大震災も亦然り 当時の惨状は言語に絶し東京は焼野原と化し政府は直ちに支●●●令を布いた 然るに其中にあってひとり預金の全額●戻しを断行し大東京の復興に多大の貢献をした銀行がある 其名を不動貯金銀行という 即ち牧野元次郎翁が頭取であった 其不動貯金銀行本店の当時の焼跡から出た●稈破片二個は(関東大震災記念石天沼雄吉寄贈)之である 倉は焼けても貯金は焼けぬ
また神社についての説明板もあり、次のように書かれていた。
芝大神宮の文化財
社伝によれば平安時代の中頃(寛弘二年・一○○五年)に伊勢の内外両宮の御分霊をまつり鎮座されたといわれる区内有数の古社である。
毎年九月中旬には「だらだら祭」とよばれる祭礼がおこなわれ、江戸時代より現在まで生姜、千木箱、甘酒などが境内で売られていることでも地元とのつながりが深い。
所蔵する文化財として、絵画では江戸末期の建部巣兆の箱根詣図(紙本着色)などがある。古文書では建武四年(一三三七)正月七日の足利直義御教書(勝利の祈祷を依頼したもの)、天正十六年(一五八八)七月二十四日の吉良氏朱印状がある。
昭和五十三年一月(平成二十五年十一月建替)
港区教育委員会
日没後の芝大神宮
芝大神宮は日没後もしばらくは明かりが灯っていて、一日の終わりを見守っているようだった。
だらだら祭り中の芝大神宮のようす
芝大神宮で「だらだら祭り」が始まったので参拝してきた。
祭礼のことを知ったとき、変わった名称に興味がわいて調べてみたら、期間が長いため「だらだら祭り」という愛称がつき、現在も祭礼の名称となっているという。
意外なエピソードだったのでクスッとなった。
社殿前には生姜が奉納されていた。
祭礼の間は生姜が売られていたこともあり、「生姜市」といわれていたようだ。
今では生姜を売るようすがないため、奉納されている生姜に「ナゼ?」と思ったが、歴史を知るとむかしから続くことなのかもしれないと感慨深かった。
獅子頭
鳥居前の広場では、祭礼などの特別な場合にしか見られないと思われる獅子頭が披露されていた。
獅子頭を初めて見たが、芝大神宮の獅子頭は色鮮やかでサイズもわりと大きくて迫力があった。
芝大神宮の宮大神輿
獅子頭のほかに神輿も披露されていた。
神輿はサイズはそれほど大きくなかったが、龍や鳳凰と思われる彫刻があり、とても美しく威厳があった。
神輿は朱雀・青龍・玄武・白虎の絵が描かれた旗のついた槍が四方を守るような形で置かれていた。
めったに見ることができない獅子頭と神輿を見ることができて感動した。
芝大神宮前の露店
少しだけど露店もあった。
オフィス街という子どもが少ないエリアに露店があると違和感があった。
入手した芝大神宮のリーフレット
御朱印をいただいたときにリーフレットと生姜飴もいただいた。
東京十社めぐりについて看板があったので東京十社のリーフレットももらった。
【こぼれ話】東京十社めぐり
東京十社…東京鎮護のため准勅祭神社として定めた10の神社。
- 根津神社(文京区根津)
- 神田神社(千代田区外神田)
- 亀戸天神社(江東区亀戸)
- 白山神社(文京区白山)
- 王子神社(北区王子本町)
- 芝大神宮(港区芝大門)
- 日枝神社(千代田区永田町)
- 品川神社(品川区北品川)
- 富岡八幡宮(江東区富岡)
- 氷川神社(港区赤坂)
リーフレットによると次のように芝大神宮は紹介されていた。
芝 大神宮(芝神明さま)
御祭神 天照皇大神、豊受大神/例大祭 九月十六日
平安時代寛弘二年に創建、古くは芝神明と称したが明治五年正式に官許され芝大神宮に改称す。
祭礼は期間の長さから(十一日~二十一日)「芝神明だらだら祭り」として知られ、生姜市、甘酒茶屋で有名、授与品には「千木筥」がある。
これは東京の郷土玩具としても知られている。
江戸時代境内でおきた、め組鳶と角力とのいさかいは「め組の喧嘩」として再三歌舞伎で上演せられ、その半鐘は今でも宝物として当宮に保存されている。
芝大神宮周辺のMAP
芝大神宮
(所在地 東京都港区芝大門1-12-7)
■芝大神宮までの距離(徒歩の場合)
・大門駅…約 0.238km(02分)
・御成門駅…約 0.485km(06分)
・浜松町駅…約 0.627km(07分)
観光情報についての参考サイト
■芝大神宮
■Minato 港区を楽しもう
港区観光協会
■港区
公式サイト