亀戸香取神社でダイコンの歴史を知る(江東区)

神社や寺が好きな理由のひとつに、歴史を知ることができたり史跡を見ることができたりすることがある。
教科書で学ぶ歴史は硬い文章でおもしろみがないけど、ひょんなことから知った歴史は得した気分にもなれて楽しい。
江東区で古いといわれている香取神社

商店街の先に香取神社は鎮座していて、境内に入って目にとまったのは、しずくのような形をしたモニュメントだった。
案内板が設置されていたので目を通してみたらダイコンの歴史を知ることができた。
江戸・東京の農業 亀戸大根
このあたりで大根づくりが始まったのは、記録によると文久年間(1861~64)の頃とされ、当香取神社周辺が栽培の中心地で、以来、明治時代にかけて盛んに栽培されてきました。
当地は荒川水系によってできた肥沃な粘土質土壌であったため、肉質が緻密で白く冴えた肌の大根づくりに大変適していました。
亀戸大根は、根が30㎝程度の短い大根で、先がクサビ状にとがっているのが特長。
明治の頃は「おかめ大根」とか「お多福大根」といわれましたが、大正初期になって産地の名をつけて「亀戸大根」と呼ばれるようになりました。しかし、宅地化が進んだ大正時代の終り頃から産地は江戸川区小岩や葛飾区高砂などに移っていきました。
秋から冬にかけてタネをまいて早春に収穫となる亀戸大根は、当時は他に大根などの全くない時期で、新鮮な野菜の出始めの頃なので根も葉も共に浅漬けにして美味しいことから、江戸っ子から大いに重宝がられました。
平成9年度JA東京グループ
農業協同組合法施行五十周年記念事業
※亀戸 香取神社に設置されていた案内板より

現在の香取神社周辺は畑がないのでダイコンの産地だったとは思えないけど、亀戸大根之碑として残すことで知ることができた。
また香取神社のことも境内に設置されていた案内板を読むことで知ることができた。
香取神社御由緒
御由緒
当社の創立は天智天皇四年(六六五)、藤原鎌足公が東国下向の際、この亀の島に船を寄せられ、香取大神を勧請され太刀一振を納め、旅の安泰を祈り神徳を仰ぎ奉りましたのが創立の起因であります。
天慶の昔平将門が乱を起した時、追討使俵藤太秀郷が当社に参籠し戦勝を祈願して戦いに臨んだところ、目出度く乱を平げたので神恩感謝の奉賽として弓矢を奉納、勝矢と命名されました。現在でもこの故事により勝矢祭が五月五日(武者行列)に執り行なわれております。
以来益々土民の崇敬が篤く郷土の守護神というばかりでなく、御神徳が四方に及びましたので、葛飾神社香取太神宮と称え奉るに至りました。
元禄十年検地の節は改めて社寺の下附があり、徳川家の社寺帳にも載せられ古都古跡十二社の中にも数えられております。
※亀戸 香取神社に設置されていた案内板より抜粋

案内板からもわかるとおり、香取神社の歴史は古い。
畑や宅地だと開発が進んで跡形もなくなってしまうことがあるけど、神社やお寺はむかしのままのことが多い。香取神社ではダイコンの歴史を知ることができて得した気分になった。
そして嬉しいおまけもあった。
ウソという小鳥のオブジェがいる亀戸の街

亀戸の街を歩いていると、かわいいオブジェを見つけた。
ガードレールのポールの上にちょこんといて、姿から鳥のように見える。何者なのか気になったけど、あとで調べることにして散策を終えた。
ネットで調べていたら江東区観光協会のサイトでポールにいた鳥の正体を知ることができた。
ポールのオブジェは「鷽」という鳥をモチーフにしていた。鷽は幸運を招く鳥といわれて木彫りがあり、縁起物として人気があるという。
亀戸天神社では「うそ替え神事」というのもあるようなので、興味がある方は調べてみると詳細を知ることができる。
古い神社やお寺では歴史を知るチャンスがある。亀戸香取神社では亀戸大根を奉納する収穫祭が行われているし、亀戸天神社では先ほど紹介した鷽にまつわる「うそ替え神事」がある。
学校の歴史では興味がもてなかったけど、神社や寺で見つける歴史はおもしろいのが多い。日本の歴史さがしに神社仏閣めぐりを含めてみるのもいいかもしれない。
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亀戸 香取神社について
香取神社
(所在地 東京都江東区亀戸3-57-22)
■香取神社までの距離(徒歩の場合)
・小村井駅…約 0.680km(08分)
・亀戸駅…約 0.814km(10分)
・押上駅…約 1.33km(16分)
観光情報についての参考サイト
■亀戸 香取神社
https://www.kameido-katori.com/
■江東おでかけ情報局
江東区観光協会
https://koto-kanko.jp/
■江東区 公式サイト
https://www.city.koto.lg.jp/index.html
■GO TOKYO
東京の観光公式サイト
https://www.gotokyo.org/jp/index.html